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救命救急の看護師の給料・年収は高い?いくら?給与事情を解説!

これから働こうかと考えている部署のお給料は気になるものです。仕事ですから、やった仕事に対する対価をもらうのは当然のことですし、やはり仕事に見合った給料をもらいたいものです。

それは救命救急で働こうとしている看護師でも同じことです。どれほど高い志を持っていたとしてもボランティアではありません。かえって、プロの一職業人としては、良くも悪くも自分の能力に見合った給料をと考えるものです。

それでは、救命救急で働いている看護師の給与事情はどうなっているのでしょうか?興味津々、見ていきましょう。

救命救急の看護師の給料・年収はズバリいくら?

救命救急の看護師の給料・年収はズバリいくら?

救命救急センターの看護師の給料・年収は、31~32歳で給料35万8,465円・年収543万8,142円、37~38歳で給料37万6,500円・年収557万1,200円です。

これは、救命救急センターがある病院は大規模病院が多いので、日本看護協会の「2023年病院看護実態調査」の500床以上の病院の看護師平均給料と厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査の企業規模1,000人以上の看護師給料データからから算出しました。

看護師の平均給料・年収は35万2,100円、508万1,700円(41.9歳、厚労省・賃金構造基本統計調査より)ですので、救命救急センターの看護師の給料・年収は平均よりも高いことがわかります。

 

救命救急の看護師の給料・年収は高いと思いきや、まさかの現実を突きつけられるの巻

救命救急の看護師の給料・年収は高いと思っていたのに、給料明細と先輩看護師の話で現実を知ったというお話をご紹介します。

 

救命救急の給料・年収は高いと思っていたのに・・・。現実は辛いよというお話

転子:同じ地域の200床規模の病院から転勤してきた5年目の看護師。前の病院では一般外科の病棟に勤務していた。

友香:新卒から救命救急センターで働く5年目の看護師。転子とは友達。

認奈:看護師15年目で救命救急センターの主任。クリティカルケアの認定看護師の資格を持つ。

 

日勤中の昼休憩。救命救急センターの看護師の休憩室。

転子:「え?あれ?」

転職後、初めての給料明細を見て大きな声を出した転子。

友香:「何?転子、どうしたの?」

転子:「なんかおかしいよ!想像していたよりも給料が安すぎる!

友香:「救命救急にきて初めての給料、そんなに安かった?転職してきて初の給料だから、病院の経理のミスかもよ」

転子:「あ、そうかも。友香、ちょっと見てよ。どう思う?安すぎだよね?」

友香:「どれどれ・・・。え~、こんなもんじゃない?私とほぼ同じだよ」

転子:「えぇ?友香もこのくらいの給料なの?救命救急で5年目だよね?それでこのくらい?」

友香:「うん。こんなもん。転子も5年目で前の病院での経験年数が加算されてるから、同じくらいでしょ。」

転子:「えぇ!?私、救命救急の看護師はメチャクチャ給料が良いんだと思ってたよ。手当が最低でも5万円は付くと思ってたし。夜勤回数も多いから、前の給料よりも絶対に10万円くらいは上がると思ってた。」

友香:「何言ってんの!救命救急だからってそんなに給料上がんないよ!一応、危険手当はつくけど5,000円くらいだしね」

転子:「ふぇぇ~(泣)。確かに、危険手当が激安・・・。私、救命救急に来たら、お給料が爆上がりするものだと思い込んでた。給料が上がったら、デパコスの新作を買おうとか、ヘッドスパ行こうとか思ってたのにぃ。計画が狂った・・・。ショック・・・」

友香:「救命救急の看護師だからって給料が高いわけじゃないよ。ほかの看護師と同じ」

転子:「でもでも!救命救急って夜勤多いじゃん!前の病院では月4回くらいだったのに、救命救急は月6~7回も夜勤に入るでしょ?その分、夜勤手当は増えるはず!」

友香:「確かに、夜勤回数は多いから、夜勤手当も多いと思う。でも、救命救急って残業がほぼないじゃん。だから、月の残業手当は数千円。前の病院では残業手当どうだった?」

転子:「え~。確かに残業手当は月3万円くらいあった。」

友香:「危険手当は一応つくけど、数千円。夜勤が多い分、残業手当は少ないから、一般病棟と給料はほとんど同じ。うちの病院は救命救急と一般病棟ではほぼ給料は変わらないの。うまくできてるよね。」

転子:「そうなんだ~。大ショック・・・。まぁ、前の病院よりは基本給が少し上がったし、住宅手当も貰えるようになったから良しとするか」

友香:「そうなの?それなら良いじゃない!」

転子:「でも、救命救急に来たら、給料が爆上がりすると思ってたから、やっぱりショックなんだよぉ(泣)」

友香:「そうだねぇ・・・。あ、認奈さん、お疲れ様です」

認子が休憩室に入ってくる。

認奈:「お疲れ~。食堂のAランチ、美味しかった~」

転子:「お疲れ様です」

友香:「認奈さん、聞いてくださいよ。転子、救命救急に来たら給料爆上がりすると思ってたらしいですよ」

転子:「そうなんです・・・。今、給料明細を見てショックを受けてます」

認奈:「あはは!そうなんだ。そんなうまくいくはずないじゃん!私なんて、15年目で認定の資格も持ってるけど、そんなに給料上がらなんだよ!?」

転子・友香:「えぇ!!!」

認奈:「だって、認定看護師の資格手当なんて8,500円くらいよ。もちろん、もらえるのはありがたいけれど、夜勤1回の方が高いからね」

転子:「半年間の研修受けて、専門を深めても月8,500円!?」

認奈:「そんなもんよ。しかも、主任業務と認定の業務があるから、夜勤回数が減ったし。夜勤手当が減るのは痛い・・・」

転子:「ふぇぇ~(泣)。夢がない・・・。看護師の給料・年収には夢がないよぉ(泣)」

認奈:「そうねぇ(笑)。でも、まぁ救命救急は残業が少ないしね。大病院だから、看護師の平均よりは給料・年収は高いし。生活には困らないくらいにはもらえるからさ」

友香:「まぁ、確かに。給料に関しては、そこまで不満はないかも。転子もうちの病院に来て、基本給は少し上がったって言ってたじゃん!」

転子:「確かに少し上がったけれど・・・」

認奈:「あとは、やりがいかな。やりがいはあるからね。やりがいに目を向けるしかないのよ、私たち救命救急の看護師は!」

転子:「ふぇぇ~(泣)。なんか騙されてる?やりがい搾取?」

認奈:「あとはボーナス!うちの病院はボーナスはそこそこ高いと思う!転子の前の病院、ボーナスはどのくらいだった?」

転子:「3ヶ月分くらいだったかと・・・」

認奈:「うちは4.5ヶ月分くらい出るよ。てことは、転子。ボーナスは35万くらい増えるんじゃない?年収は大幅アップじゃん!」

転子:「やった~!よ~し、やる気出てきた!」

認奈:「あ、ホットラインが鳴った!」

転子:「さぁ、行きましょう!認奈さん、友香!患者さんが私たちを待っている!」

認奈:「はい、はい(笑)」

認奈に続いて転子も休憩室を出ていく。

転子:「友香、早く!さっきのホットライン、5分で来るって~!」

友香:「は~い!ふふふ、転子ってわかりやすい!」

 

救命救急の看護師の給料・年収は地域の他病院と比べたらどうなの?

救命救急の看護師の給料は、同地域の他の病院の看護師の給料と比べるとどうなのでしょうか?

まず、令和5年の厚生労働省による賃金構造基本統計調査の結果を見てみましょう。この調査では、業種毎・企業規模(従業員の数)別に賃金の調査を行っています。

これによると看護師の平均年収は規模が大きいほど高くなっています。

従業員数1000人以上の規模の医療機関の看護師の給与は37万6,500円(月額)で、これに12ケ月を乗じて賞与等105万3,200円を加えると、看護師の平均年収は557万1,200円と計算できます。

これに対して従業員数10~99人の医療機関の看護師の給与は月額32万1,100円で、これに12ケ月を乗じて賞与等67万3,700円を足すと、看護師の平均年収は452万6,900円となります。

従業員数100~999人の医療機関は規模も給与もちょうど両者の間で、月額34万2,300円および賞与75万6,400円、看護師の平均年収は486万4,000円です。

これは概ね従業員数が多い医療機関は病床数も多い病院であり、診療範囲も広く地域の基幹病院であることが多いため、その地域での役割やネームバリューを考えるとそれ相応の給与が支払われているということです。

第三次救急指定病院となっているような病院は、重篤な患者さんに救急対応するため、広い範囲の診療科目を取り扱っており、地域の基幹病院や大学病院など比較的規模が大きい病院が多いので、その地域の中では看護師の給与も高いことが考えられます。

また、分野別での平均給与を調べると、急性期病院や急性期の分野では給与が高いという結果が出ています。

あるいはそれほど規模が大きくなくとも、専門領域の診療において高い評価を受けているような病院であれば、基本給や平均給与は高い傾向にあります。

救命救急は地域の基幹病院にあることが多く、当然急性期の分野です。また、専門領域としても果たしている役割は大きいものです。

ですから、救命救急の看護師は、同じ地域の中の他の医療機関で働いている看護師と比較すると、給料は高い場合が多いとなっています。

この「大病院だから給料が高い」ということは、認奈も言っていましたね。

また、救命救急センターがある病院は国公立の病院や赤十字などの公的病院、私立大学病院が多いです。これらの病院はボーナスが4ヶ月分以上出ることが多いので、ボーナスが救命救急の看護師の年収を押し上げている要因の1つです。

転子もこのボーナスが高いことを知ってやる気を出していました。

 

 

救命救急の看護師の給料を同じ病院の他の看護師と比べるとどうなの?

同じ病院の中では必ずしも救命救急の看護師の給与が高いとは言えない

救命救急の看護師の給料は、同じ病院内の他の部署で働く看護師よりも高いというイメージがあるかもしれません。でも、それは間違いです。多くの場合、救命救急センターの看護師の給料は一般病棟の看護師とあまり変わりありません。

転子は救命救急センターに転職してくれば給料は上がると思い込んでいましたが、友香に救命救急だからって給料が上がらない。同じ病院のほかの部署と変わらないと指摘されていましたよね。

同じ病院ならジャンルが異なっても基本給には変わりはないので、救命救急だからといって給料に差は付きにくいと言えます。

いっぽう、見方を変えると、何らかの手当てが付くような業務の量や看護師の働き方によって、つまり同じ病院の中でも責任の重さや仕事量によって、給料には違いが出てきます。

同じ病院の中で見れば、救命救急の看護師だけでなくそれぞれが専門的な役割を果たしていますから、そこに救命救急で働いているというだけで何か特別な差をつけるのは難しいことです。

だって、命の重さは同じですから、ジャンルが違うからと言って看護師の仕事内容に差をつけるのはおかしいのと同じことです。

ではここは考え方を切り替えてみましょう。「どうやったら同じ病院の同僚に給料で差をつけることができるか」、です。

 

救命救急看護師の給料・年収の違いを生み出すものは何か?

救命救急看護師の給料・年収の違いを生み出すものとして、大きく3つの事柄について考えます。それは「病院やその救命救急の個々の実情」と「看護師個人の働き方」と「看護師個人の専門性」です。

さらにこれらの条件は複合的に働くとも言っておきましょう。

 

病院の実情やその救命救急の職場の実情から起こる病院内での給料の差

人員配置の差

例えば、救命救急でもその病院によって規模は様々です。看護師や医師の配置が充分なところもあれば、かなり厳しいところもあります。

また、夜間の緊急処置を重視して救命救急の夜勤の配置人数を多くしている病院もあります。

人員配置が厳しい、あるいは夜勤の配置人数を多くするとなると、夜勤回数に差が出て、それが給料(総支給額)の差になります。

救命救急センターでは日中・夜間関係なくいつでも対応できるように、看護師の配置人数は日勤も夜勤も同じになります。

そのため、多くの病院では一般病棟と比べると救命救急のほうが夜勤回数は多くなりがちです。

これは転子や友香も言っていました。

一般病棟の夜勤回数は平均月4回であるのに対し、救命救急センターの夜勤回数は月6~7回になります。

この夜勤回数の差で、救命救急の看護師の給料は一般病棟の看護師よりも、月に2~4万円増えることになります。

 

ただ、詳細は後述しますが、友香が言っていたように、救命救急では夜勤手当が増えても残業手当が少ないので、救命救急センターの看護師の給料は一般病棟の看護師と同じ程度になります。

 

各種手当の差

各病院でも差が付きやすく、病院の中でも差が付きやすいのは各種手当の面でしょう。

医療費においても処置に対しては休日加算・時間外加算・深夜加算などがつきますが、それに合わせるように看護師にも様々な手当が付くのはご存知のとおりです。

病院によって様々ですが、救急手当・入院手当・休日手当・派遣手当(ドクターカーあるいはドクターヘリ搬送や災害派遣など)・危険業務手当(感染や放射線など)など様々な手当てがあり得ます。

これによって給与に差がつく、というのは容易に想像がつくのではないでしょうか。

転子たちの病院のように、救命救急センターには「危険手当」などの名称で特別な手当てが付くことも多いです。ただ、その手当は数千円程度が主流になっています。

 

業務体制や業務手順などの違い

患者さんがキリの良い時間に来てくれれば良いのですが、そうもいかないのが救命救急です。それに、一人の患者さんの処置や対応にとても時間がかかる場合もあります。

こんな時に勤務帯でしっかり区切って引継ぎするような業務体制や業務手順になっていれば残業が少ないのですが、そのような業務体制になっていない場合は残業時間が多くなり、結果として給与が上がります。

ただ、救命救急センターは日勤・夜勤の看護師数が基本的に変わらないので、勤務交替の時間が来たら、サクッと引き継いで勤務終了になることが多いです。

複数搬送や急変が同時多発的に起こり、引き継ぐ余裕がないくらい忙しい状態であれば、残業をすることもありますが、救命救急では基本的には残業が発生すること少ないです。

転子や友香、認奈の救命救急センターでは残業はほとんどないと話していましたね。

救命救急では夜勤回数が多いけれど、残業が少ないので、夜勤手当と残業手当が相殺されて、結局は救命救急と一般病棟では給料額は変わらなくなります。

 

看護師個人の専門性の差

これは各種手当に絡めて、給与を上げるために自分の専門性を上げることで手当てを狙うという方向です。自分のキャリアアップにも繋がるので手当を狙うにしてもポジティブな手法ですよね。

例えば、救命救急センターではDMATやドクターヘリ、ドクターカーなどで派遣手当が出ることがあります。

派遣手当(ドクターカー・ドクターヘリ・災害派遣など現地派遣)で言えば、誰でもドクターカーやドクターヘリに乗れるわけではありません。それなりの経験や技術が必要になります。

また、災害派遣には専門的な知識が必要ですし、自分自身も多少不便な思いや大変な思いをすることもあります。

そういった専門的なことに対して支払われる対価(手当)は、もらう側も鼻を高くしてもらえますよね。

また、危険業務手当も同様です。病院によっては夜間や休日のアンギオ室や心臓カテーテル室などでの介助業務を救命救急の看護師が兼務している場合もあります。このような場合は手当てがもらえるので、お給料が増えますよね。

あるいは病院によっては認定看護師や専門看護師に対して手当てをつけていたり昇給を考慮している場合もあります。

救命救急の看護師は専門性が高く様々な資格にも近い位置にありますから、こういった資格で給料を上げていく、というのも一つの方法ですね。

ただ、認奈が言っているように、認定看護師の資格手当はあまり高くありません。

日本看護協会の「2022年度専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査」報告書によると、認定看護師の資格手当の平均は8,530円でした。

 

救命救急の看護師なら給料には攻めの姿勢でもよし

救命救急の看護師の給料事情を説明してきましたが、ここまで見ていて「給料事情を知るはずが、たくさん給料をもらうには、みたいな話になっている」と違和感を持った方もいるかもしれません。

しかし、考えてください。救命救急で働くためにあなたがしている努力や、あなたが身につけた技術や知識は、然るべき対価が支払われるべきものです。

冒頭でも述べたように、ボランティアや慈善事業ではなく、職業人としてこうした意識は必要です。

「お金がもらえなくても、自分の時間がなくても、やりがいだけあればいい」という方はそれで充分です。しかし、そう自分に言い聞かせていないか、ということには気を付けてください。

「ありがとうって言ってもらえれば十分」などと自分に言い聞かせていると、それは知らず知らずのうちにあなたを仕事の犠牲者にします。

転子は「やりがい搾取」なんて言っていましたが、認奈はあくまでも「給料に大きな不満はない」ということを大前提にして、「やりがいがあるから良い」と言っていましたよね。

人間はやりがいだけではなかなかモチベーションを高く保つことはできません。「そこそこの給料+やりがい」でモチベーションを保てるんです。

救命救急の看護師は責任のある仕事・プレッシャーのある仕事なのですから、給料に関しては少しばかりは攻めの姿勢で「働いた分はもらおう」と考えるくらいでちょうど良いのかもしれませんよ。

 

まとめ

救命救急の看護師のお給料にまつわるお話、いかがでしたか?

給料をできればたくさんもらいたいという方も、給料はそんなにいらないという方も、お給料にまつわる様々な要素、その病院の基本給や夜勤回数や残業時間、あるいは各種手当などについてはしっかり調べてみてください。

たとえば、基本給はその病院が地域でどういう位置づけかという目安になります。夜勤回数や残業時間は働きやすさの目安にもなります。

各種手当を見ると、その病院が看護師の業務や意義をどう捉えているかを伺い知ることができます。手当が厚い病院は看護師を大事にしてくれていると考えることもできますよね。

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執筆者情報

株式会社ドリームウェイ救命救急センターの看護師の求人はどこで見つければいいの? 編集部

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